顎関節症

当院が顎関節症治療で選ばれる理由

当院が顎関節症治療で選ばれる理由

専門的な診断と治療

当院では、日本顎関節学会の専門医が直接診療を担当します。豊富な経験と専門知識を活かし、患者様それぞれの症状に合わせた診断と治療プランを提供いたします。

患者様一人ひとりに寄り添ったケア

リラックスできる落ち着いた雰囲気の院内で、患者様のお悩みや不安をお伺いし、安心して治療を受けていただけるよう、丁寧なケアを行います。

保険適応治療と保険外治療への対応

CT撮影やマウスピース治療といった保険適応の治療から、ボツリヌス治療(ボトックス治療)などの先進的な治療まで幅広く対応可能です。

継続的なフォローアップ体制

治療後も定期的なフォローアップを行い、再発防止や長期的なお口の健康維持をサポートします。さらに、症状が改善された後には、矯正治療や審美治療などのご提案も可能です。

顎関節症とは?

顎関節症とは?

顎関節症(がくかんせつしょう)は、顎(あご)の関節やその周囲の筋肉に異常が生じ、痛みや機能障害を引き起こす病気です。顎関節は、下顎骨と頭蓋骨をつなぐ関節で、食事や会話、あくびなど日常の様々な動作に関与しています。この関節や周囲の筋肉に問題が生じると、顎関節症が発生します。「カクッと音がする」「口が開けにくい」「あごが痛い」「痛みで口が開かない」「食べ物が噛みにくい」といった症状が現れます。

ある調査では、日本人の約7〜8割が顎関節に何らかの症状を経験するとされており、病院を受診する方は全体の1割程度と言われています。顎関節症は男女問わず幅広い年齢層に見られますが、特に20代から40代の女性に多いという報告があります。

● 顎関節症の症状
「顎が痛む(顎関節痛、咀嚼筋痛)」
「口が開かない(開口障害)」
「顎を動かすと音がする(顎関節雑音)」

日常生活では、以下のような症状を自覚することがあります。

  • 顎が痛い:噛むときや口を大きく開けたときに痛みを感じます。
  • 音がする:口を開け閉めする際にカクカク・ジャリジャリと音がします。
  • 口が開かない:口が開けにくくなったり、完全に開かないことがあります。
  • 顎のだるさ:起床時や長時間の会話や食事後に顎がだるく、重い感じがします。
  • 顎のずれ:顎が左右にずれたり、外れることがあります。

顎関節症の原因

顎関節症の原因

これまでは噛み合わせの悪さが顎関節症を引き起こすと考えられてきましたが、現在では顎関節症には複数の要因が複雑に関わっていると考えられています(多因子説)。

以下の要因が考えられます。

  • 歯ぎしり・食いしばり:夜間の歯ぎしり・食いしばり
  • 顎の過度な使用:ガムを長時間噛む、硬い物を頻繁に摂取する、長時間口を開けるなどの行為
  • 外傷:交通事故やスポーツによる衝撃など
  • 生活習慣:歯ぎしりや食いしばりの他に、頬杖やうつ伏せ寝、唇を噛む癖など
  • 噛み合わせや骨格:上顎前突や開咬といった噛み合わせの悪さ(不正咬合)や、生まれつきの下顎骨の形や大きさによるものなど
  • ストレスなど精神的要因:顎の筋肉が緊張するような精神的なストレス
  • 歯列接触癖(TCH)

歯ぎしりや食いしばりは、歯だけでなく顎の関節や筋肉にも大きな負担をかけます。常に強い力が関節にかかり、筋肉にも過度な力が加わり続けることで顎関節症が引き起こされます。

歯列接触癖(TCH)は聞き慣れない言葉かもしれませんが、通常、食事中以外は上下の歯の間にわずかなすき間があり、歯と歯が接触していないのが普通です。しかし、無意識に歯をかみ合わせる癖がある場合があり、これをTCHと呼びます。顎関節症の患者の約8割がこの癖を持っているという報告もあります。

また、ストレスがかかると歯ぎしりや食いしばりを引き起こし、それが顎関節症の原因となることが多いといわれています。

顎関節症のセルフチェック

下の項目にひとつでも該当する場合、顎関節症の可能性があります。早めに歯科医師に相談しましょう。

  1. 顎を動かすとこめかみや耳の周りに痛みを感じる
  2. 口を開け閉めするときに音がする
  3. 口が開けにくい、完全に開かない(指3本分以下)
  4. 顎が疲れやすくだるくなる、重たい感じがある
  5. 顎が左右にずれる、外れやすい

顎関節症の治療方法

ほとんどの顎関節症は時間の経過とともに改善すると考えられています。初期治療として、『歯を削る』『歯を抜く』『矯正治療で噛み合わせを変える』などの侵襲的=元に戻せない治療は、学会でも推奨されていません。

そのため当院では顎関節症に対して、患者様の症状や原因に応じた個別の治療プランを提供し、体のダメージが少ない保存療法を中心に治療を進めています。治療後も定期的なフォローアップを行うことで、再発防止のための生活習慣や噛み合わせの向上をサポートします。

当院では以下のような治療を行っております。

  1. 生活習慣指導、認知行動療法 生活習慣指導、認知行動療法 顎関節症の発症には生活習慣や習癖が大きく関わっていると考えられるため、初期治療として、生活習慣の見直しが重要です。
    日常の動作で顎や口にかかる負担を減らして、症状の改善を図ります。例えば、あくびや噛みしめを避ける、硬い食べ物を控える、ストレスを軽減する、といったアドバイスが含まれます。これらの指導は、症状の改善に向けた最初の治療ステップとなります。
  2. 理学療法・運動療法 理学療法・運動療法 器具を使った手法や運動を利用して症状の改善を目指す方法です。冷却・温熱療法、または歯科医師や患者自身によるマッサージやストレッチ、開口練習を行い、筋肉の柔軟性を高め、関節のズレを改善します。
  3. 薬物療法 薬物療法 薬物療法では、痛みや炎症の減少、筋肉の緊張緩和を目的として、消炎鎮痛剤や筋弛緩薬が使用されます。これにより、顎関節症による日常生活の支障を減らすことができます。ただし、薬物療法は対症療法であり、根本的な治療ではないため、他の治療法との併用が一般的です。
  4. マウスピース(アプライアンス)療法 マウスピース(アプライアンス)療法 スプリントと呼ばれるマウスピースを使用して、噛み合わせのバランスを整える治療法です。特に、夜間の歯ぎしりや食いしばりによって顎関節や筋肉へかかる負担を軽減する効果があります。場合によっては、日中にも装着することで噛み合わせのリセットを図ることがあります。
  5. ボツリヌス療法 ボツリヌス療法 ボツリヌス製剤(ボトックス)を用いた注射により、筋肉の緊張を緩和します。筋肉痛(筋・筋膜痛)だけでなく、筋肉の過緊張による顎関節痛や開口障害に対しても効果的です。マウスピース療法と併用して、筋肉にアプローチすることが多いです。
  6. 噛み合わせ治療 噛み合わせ治療 顎関節症の初期治療として噛み合わせ治療を行うことは稀です。通常は、可逆的(元に戻すことができる)で、非侵襲的(体に負担の少ない)な治療が優先されます。
    ただし、噛み合わせの不調和を改修して顎関節症の再発を防止するために、初期治療後に噛み合わせ治療が選択されることもあります。

これらの治療方法は、患者様の症状の程度や原因に応じて適切に選ばれます。正確な診断と適切な治療計画を通じて、顎関節症の症状を効果的に緩和し、日常生活の質を向上させることが目指されます。

顎関節症の再発リスクと予防方法

顎関節症の再発リスクと予防方法

一度症状が治まった後でも、顎関節症は再発することがあります。特に、生活習慣や無意識の癖が原因であったり、顎の骨に変形が見られる場合は注意が必要です。

例えば、食いしばりや歯ぎしり、長時間にわたって悪い姿勢が続くと、再び症状が現れることがあります。また、精神的なストレスが増えると無意識に顎に力が入ってしまい、再発のリスクが高まることもあります。

顎関節症の再発を予防するためには、以下の方法が有効です。

  • 日中の噛みしめや食いしばりを避ける
  • 夜間の歯ぎしりに対してマウスピースを使用する
  • 顎に負担のかかるような食物は控え、左右バランスよく噛む
  • ほお杖やうつぶせ寝を避ける
  • 口呼吸をしない
  • デスクワーク時やスマートフォン使用時には猫背・前傾姿勢をしない
  • 足を組んだり、身体を傾けたまま座らない
  • 顎の筋肉が緊張しないよう、ストレスを減らす
  • 噛みしめの癖が出ていないか、歯科医院で定期的にチェックする

治療後も、これらの予防策を続けることがとても重要です。正しい姿勢を保つことや、リラックスする習慣を身につけることが推奨されます。

また、マウスピースの使用や定期的な歯科検診を受けることで、再発の兆候を早期に発見し、対処することができます。特に、ストレス管理は顎関節症の予防において重要で、趣味や運動を通じてリラックスする時間を確保することが効果的です。

顎関節症の再発を防ぐためには、日々の生活習慣の見直しと継続的なケアが欠かせません。これらの予防策を実践することで、顎関節症のリスクを大幅に減らすことができます。症状や再発が心配な方は、ぜひ早めに歯科医院での診察を受けることをお勧めします。

お問い合わせ

当院では、大学病院の専門外来で10年以上、顎関節症治療に携わってきた院長が治療を担当いたします。大学病院内や他院から患者様をご紹介いただいた経験も豊富にあります。

患者様の症状やお悩みに対して、まずは原因の診断を行い、体に優しいセルフケアを中心とした治療計画をご提案いたします。安心してご相談ください。