こんにちは。
名古屋市千種区の歯医者、ちくさ池下歯科・矯正歯科 院長の河村篤志です。
歯を失ってしまったとき、インプラント治療が身近な選択肢として広まってきましたが、「オールオン4」という言葉を聞いたことがある方はまだ少ないかもしれません。「オールオン4」は、全ての歯を失った方や、歯がボロボロの方、重度の歯周病などで多数の歯を抜く必要がある方に適した治療法です。
そこで今回は、オールオン4の概要と治療内容について詳しく解説し、どのようにして噛み合わせを回復することができるのかをご紹介します。
目次
- はじめに「オールオン4」とは?
1.1. 治療の流れ
1) 初診・評価
2) 画像診断
3) インプラント手術
4) 最終補綴
- オールオン4のメリットとデメリット
2.1. メリット
1) 少ないインプラント本数での治療
2) 即日の機能回復
3) 自然な噛み心地
4) 審美性の向上
2.2 デメリット
1) 骨の質や量による制限
2) インプラントの位置精度が重要
3) 専門的な技術が必要
- オールオン4が可能な条件
- まとめ
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はじめに「オールオン4」とは?
「オールオン4」とはインプラント治療のひとつで、「all-on-4」「all-on-6」「all-on-X」と表現されることもあります。
オールオン4は、上顎や下顎の全歯列をわずか4~6本のインプラントで支える技術です。通常、全ての歯をインプラントで補うとなると、多くのインプラントが必要で、時間も費用もかかります。しかし、「オールオン4」では4本〜6本という少ないインプラント本数で固定式のブリッジを支えるため、手術の負担が軽減され、治療期間の短縮や、コストも抑えられるという大きなメリットがあります。
1.1. 治療の流れ
1) 初診・評価: まず、歯科医師がお口の中やレントゲンを確認して、インプラントが適応可能かどうかを確認します。
2) 画像診断: CTスキャンや3D模型などの情報を基に診断を行い、インプラントの正確な埋入位置をシミュレーションします。
3) インプラント手術: 4-6本のインプラントを顎の骨に埋め込む手術をします。即日で仮歯が装着できることもあり、これにより治療当日から噛み合わせの回復ができます。
4) 最終補綴: 骨との結合が進んだ後、最終的にセラミックのブリッジを取り付けます。
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オールオン4のメリットとデメリット
2.1. メリット
1) 少ないインプラント本数での治療: インプラントが4~6本で済むため、体のダメージも少なく、治療費も従来の方法に比べて抑えられます。
2) 即日の機能回復: 多くの場合、インプラント埋入後すぐに仮歯を装着し、食事ができるため、生活の質が早期に向上します。
3) 自然な噛み心地: インプラントで支えられたブリッジは、入れ歯と異なり安定感があり、自然な咬み心地を手に入れることができます。
4) 審美性の向上: セラミック製のブリッジの自然な歯並びによって、見た目にも美しい結果が得られます。
2.2 デメリット
1) 骨の質や量による制限: 顎の骨の量が不足していたり、骨密度が不十分な場合には、オールオン4が難しいことがあります。その場合、骨移植などの追加手術が必要になることもあります。
2) インプラントの位置精度が重要: インプラントの配置が不適切だと、長期的な安定性に影響を及ぼす可能性があります。経験豊富な歯科医師によるCTでの診断が重要です。
3) 専門的な技術が必要: オールオン4は通常のインプラント治療とも異なる特殊な技術を要するため、治療に精通している歯科医師が限られています。
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オールオン4が可能な条件
オールオン4は、失った歯を多く取り戻せる画期的な治療法ですが、適応にはいくつかの条件があります。まず、インプラントを入れるべき場所に骨が十分にあることが重要です。骨の吸収が進行している場合や骨密度が低い場合は、骨の移植などを検討する必要があります。また、糖尿病や心臓病などの疾患がある場合には、主治医との連携が必要です。さらに、治療を長持ちさせるためには定期的なメインテナンスも欠かせません。お口の衛生状態を保つ意識が成功への大切な条件です。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
オールオン4は、少ないインプラントで全ての歯を補うことができる革新的な治療法です。4〜6本のインプラントで全ての歯を支え、短期間で機能を回復することが期待できます。ただし、患者さんの骨の状態や全身の健康状況によっては、適応が難しい場合もあります。
今回は、名古屋市千種区にある「ちくさ池下歯科・矯正歯科」の院長、河村篤志が「オールオン4の概要や適応条件」についてご紹介しました。当院では、オールオン4をはじめ、歯を失った際のさまざまな治療方法を、患者さんひとりひとりに合わせてご提案しています。インプラント治療に対する不安や疑問、費用や治療期間について知りたい方は、ぜひ一度ご相談ください。噛み合わせを取り戻すお手伝いをいたします。
名古屋市千種区の歯医者 ちくさ池下歯科・矯正歯科
院長
日本顎関節学会専門医
日本補綴歯科学会専門医
日本口腔インプラント学会専門医 河村篤志