初期虫歯は放置しても治る?そのままにするとどうなる?

こんにちは。

名古屋市千種区の歯医者、ちくさ池下歯科・矯正歯科 院長の河村篤志です。

最近では「予防歯科」や「審美歯科」という言葉を耳にする機会が増え、治療以外の目的で歯医者を訪れる方も増えてきました。それでも、まだまだ多くの方にとって歯科医院は「できれば行きたくない場所」と感じる存在かもしれません。

中には、「虫歯を放置しているから行きづらい」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。さらに、虫歯があると感じつつも「このまま放っておけば自然に治るのでは?」と考えることもあるかもしれません。

実際に虫歯を放置するとどうなるのでしょうか?初期段階で進行を止められるのでしょうか?

そこで今回は、虫歯を放置した場合の影響や、痛みの感じ方、再石灰化による治癒の可能性について、詳しく解説していきます。

1.初期虫歯を放置するとどうなる?

1.1. 虫歯と初期虫歯とは

虫歯とは、歯の表面が細菌によって徐々に溶かされていく病気です。プラーク(歯垢)を栄養とする細菌が、食べ物の中の糖を分解し酸を作り出すことで、歯の表面(エナメル質)が溶けていきます。さらに進行して内部の象牙質にまで達すると、やがて痛みを伴うことがあります。

一方、初期虫歯とは、歯の表面にあるエナメル質がわずかに損傷し、ミネラルが失われている状態です。この段階では歯に穴は開いておらず、また自覚症状もないため、見た目にはほとんど問題がないように見えるかもしれません。しかし、虫歯菌や酸がすでにダメージを与え始めており、放置すればさらに進行するリスクがあります。

1.2. 虫歯の進行について

初期虫歯を放置すると、細菌や酸によるダメージが歯の内部に向かってどんどん進行していきます。特に若年層では歯質が柔らかく、虫歯の進行が早いとされています。

虫歯は自然治癒することがなく、エナメル質を超えて象牙質に達しても、自覚症状が現れないことが少なくありません。このため、「痛みがないから大丈夫」と、さらに放置してしまうケースも多いのです。

1.3. 痛みや不快感について

初期の虫歯では、痛みや不快感を感じることはほとんどありません。しかし、虫歯が進行し神経に近づくにつれて、痛みや不快感が現れます。冷たいものや温かいものを摂取した際に歯がしみたり、さらに悪化すると、常に疼くような痛みや、夜も眠れないほどの激痛を伴うこともあります。このような状態になると、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。

1.4. 進行した虫歯の治療について

虫歯を放置しすぎると、治療がより複雑で大掛かりなものになります。

進行する前の虫歯であれば、比較的簡単な処置や少ない通院回数で治療が完了します。しかし、進行した虫歯では、歯を大きく削ったり、神経の治療が必要になります。神経まで達した虫歯は「根管治療」と呼ばれる治療を行いますが、これには通院回数が多くかかり、治療後の再発リスクも高くなります。

さらに、虫歯が深刻化すると、最終的に歯を失うリスクが高まります。このように、放置された虫歯は、痛みだけでなく、治療にかかる時間や費用、さらには歯そのものを失う可能性を増大させてしまうのです。

2.痛みが出た場合の対処法

虫歯が進行すると、痛みを伴います。

初期の虫歯ではほとんど痛みを感じませんが、進行するにつれて、しみる、噛むと痛いといった症状が現れます。さらに虫歯が神経まで達すると、歯髄炎(歯の内部の神経や血管に起こる炎症)を引き起こし、激しい痛みを伴います。ここでは、痛みが出た場合の具体的な対処法をご紹介します。

2.1. 歯科医院を受診する

痛みを感じたら、できるだけ早く歯科医院を受診することが最も重要です。

軽度の違和感や痛みであっても、それが悪化することがあるため、放置は危険です。歯科医院を受診して原因を診断し、適切な治療を行うことで、症状の進行を防ぎます。

痛みを放置すると、最悪の場合には歯を失ってしまいます。早期の受診が将来の健康な歯を守るための最善策です。

2.2. 一時的に痛みを和らげる

歯科医院に行くまでの間、痛みを和らげる方法がいくつかあります。

ただし、これらはあくまで応急処置であり、根本的な治療には必ず歯科医院での対応が必要です。

2.2.1. 市販の鎮痛薬の使用

痛みが強い場合は、市販の鎮痛薬を適切に使用することで、一時的に痛みを和らげることができます。ただし、用法用量を守り、過剰な使用は避けてください。鎮痛薬は一時的な対処に過ぎず、問題を根本的に解決するものではないため注意が必要です。

2.2.2. 冷却療法

痛みを感じる部分の周囲を冷やすことで、痛みを軽減できる場合があります。例えば、冷たいタオルや氷を頬に当てる方法があります。ただし、虫歯が進行している場合、冷たい刺激が逆に痛みを強めることもあるため、注意が必要です。

3.初期の虫歯は治る可能性がある?

初期の虫歯は、適切なケアを行うことで再石灰化し、進行を防げる可能性があります。例えば、歯科医院でフッ素を塗布することでエナメル質の修復を促したり、MIペーストなどの再石灰化を助ける製品を活用することで、歯に必要なミネラルを補給することができます。

しかし、初期の虫歯を完全に自力で治すことは難しく、進行を防ぐためには定期的な歯科検診が欠かせません。初期虫歯か治療が必要な虫歯かを自分で判断するのは困難なため、歯科医院で早期発見と適切な処置を行うことで、できるだけ削らずに歯を健康な状態に保つことができます。

4.まとめ

今回の記事では、名古屋市千種区の歯医者 ちくさ池下歯科・矯正歯科の院長 河村篤志 が、初期の虫歯を放置した場合の影響や痛みの対処法、治癒の可能性について解説しました。

初期の虫歯は適切なケアや治療を行うことで改善する可能性がありますが、放置すると進行し、治療が難しく複雑になることもあります。痛みが出る前に歯医者で相談し、定期検診を受けることで、虫歯の早期発見と、迅速な対応が可能になります。

虫歯の進行を防ぎ、健康な歯を守るためにも、ぜひ定期的に歯科医院を受診しましょう。

名古屋市千種区の歯医者 ちくさ池下歯科・矯正歯科 

院長 河村篤志

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